歯科医院で働く人には、国民健康保険や国民年金に入っている人もいると思います。
国民健康保険や国民年金は、最低限の生活を保障するものです。
どんな時に何の給付が受けられるのか?老後の年金は?など…、国民健康保険と国民年金の疑問を解決していきます!
質問者紹介
旦那さんの扶養に入っている。
産休とか、出産の手当が出る環境で働きたい。「国民健康保険とか国民年金って、保障が最低限なイメージで不安だな」
Bさん
目次
Q.国民健康保険とか国民年金とか、絶対入らないといけないの?
国民年金に関しても同じで、20歳以上60歳未満で厚生年金に加入していない人(自営業・無職)は国民年金に加入することになります。
Q.国民健康保険とか国民年金は、勝手に入っていることになっているの?
【国民健康保険】健康保険を脱退した場合に役所などでの加入手続きが必要になります。親の被扶養者として健康保険に入っていたけど、ひとり暮らしで扶養を抜けた場合や、退職で会社の健康保険から抜けた場合、国民健康保険に加入することになります。
【国民年金】20歳の誕生月が近くなったら「国民年金被保険者資格取得届書」というものが届きます。それを住んでいる地域の役所・役場か年金事務所に提出することで加入手続きができます。加入手続きができると「年金手帳」が発行されます。
会社を退職して、会社の厚生年金から抜ける場合は、国民年金に切り替える手続きが必要です。
国民健康保険・国民年金には「扶養」の考え方がない
親が自営業をしていたりして国民健康保険だった場合があると思います。
国民健康保険には「扶養として家族を同じ保険に加入できる」制度がないので、家族それぞれが国民健康保険に加入して、それぞれに保険料がかかることになります。
かわって健康保険・厚生年金には「扶養している家族を同じ保険に加入できる」ようになっています。
Q.国民健康保険と国民年金は必ずセットなの?
詳しくは【健康保険と厚生年金について】でも説明しているので参考にしてみてください。
Q.国民健康保険と国民年金の保険料や給付内容を知りたい!
国民健康保険料はいくらかかる?
保険料は「医療分」「支援金分」「介護分(40~64歳までの人)」で構成されていて、そのうち該当するものの合計になります。
原則、全額自己負担ですが、歯科医院によっては国民健康保険料の補助がある場合もあります。
所得金額230万円⇒国民健康保険料の試算金額=236,480円(年間)
国民健康保険の給付内容
【死亡時】葬祭費の補助的な給付
【出産】出産育児一時金(一児につき42万円)※この他に、自治体によって行っている給付がある場合もあります。「健康保険」ではケガや病気・産休などの休業中に、お給料の一部を受け取ることができる傷病手当、出産手当がありますが、「国民健康保険」には原則ありません。
また、病気や出産などで休業する場合も、国民健康保険の保険料を支払う必要があります。
国民年金の保険料はどれくらい?
国民年金の保険料は、定められた保険料率や物価などによって決まります。
第1号保険者にあたる20歳以上60歳未満の、厚生年金に加入していない人の国民年金保険料は1ヶ月あたり16,610円です(2021年4月時点)
・まとめて前払いすると割引が適用される制度
・所得が一定より低い人は免除や減額を受けられる制度
・免除された分の保険料を追納して、受け取り金額を増やす制度
・追加で保険料を支払うことで将来の受け取り金額を増やせる制度
などがあります。
年金は支払い義務があるので、所得が少なくて支払いが厳しい…という場合は免除や減額の申請をしてみましょう!
国民年金で受けられる給付は?
給付を受けるためには、国民年金の保険料を納めた期間(免除期間があれば、両方をあわせた期間)が120ヶ月以上必要です。20歳から60歳まで40年間満額で保険料を納めた人は780,900円(令和3年4月分から)受け取ることができます。
【障害基礎年金】
ケガや病気で生活や仕事が制限されるようになった場合、保険料を納めている現役世代でも受けることができます。
1年以内の保険料の未納がないことや、加入期間の一定以上の期間において保険料が納付もしくは免除されていることなどの条件を満たす必要があります。
【遺族年金】
子どもがいる場合のみ、子どもと配偶者に支払われます。受給できるのは子どもが18歳を迎えて初めての3月31日までで、以後は支給停止されます。780,900円+子どもの加算分(規定による)が支給されます。
【その他の給付】
付加給付…追加で納付した分多く年金が受けられる
寡婦年金…旦那さんを亡くした方が受けられる
死亡一時金…老齢年金や障害年金を受ていない人が亡くなった場合に家族に給付される
など、その他にも条件によって受けられる給付があります。
Q.どの保険や年金がいいかは、働き方にもよる?
国民健康保険や国民年金は、自分で手続きや支払いなど、管理しないといけないことが多いのできちんと確認しておきましょう。
(監修:永島社労士事務所 永島篤史先生)
Aさん